通所リハビリテーションを修了するということ

通所リハビリテーション修了を前提としたサービスである

それはわかってるけど、利用者や家族、ケアマネジャーが理解してくれない…
という方は多いんじゃないでしょうか?

そもそもなんで通所リハは修了しなければならないのか?
それがしっかりわかっていないと説明はなかなかできません。
この記事では通所リハの制度の復習からどうやって修了について説明し、次のステップに進んでもらうか考えていこうと思います。

そもそも通所リハビリテーションは修了しないといけないのか

以前の記事でも修了については書きました。

全国デイケア協会が出しているこちらの本でも通所リハビリテーションの修了について述べられています。

そもそもリハビリテーションをずっと続けることはダメなんでしょうか?

国連では、1982年に以下のようにリハビリテーションを定義しています。

リハビリテーションとは

ここで述べられているように、リハビリテーションは時間を限定したプロセスであり、通所リハに限らずリハビリテーションはそもそも終了を前提として提供するべきものであるということを押さえておかなければなりません。

私が嫌いな声かけの中にこんな声かけがあります。

生活全体がリハビリです。

これ、冷静に考えてとっても嫌なことじゃないですか?

今まで楽しんでいた散歩や近所の人とのおしゃべり、ご飯を食べたりお風呂に入ったり…
そのすべてが「リハビリ」になってしまうのです。
誰のための生活?何のために生きてるの?と思ってしまうのは私だけでしょうか?

リハビリは関わるリハ専門職のためにするものでもないし、リハビリをするためにリハビリをするものでもありません。
リハビリテーションはクライエントの生活を、人生をより良くするために取り組むもので、それ以上でもそれ以下でもありません。

何か目標があればその目標を達成できる手段をとり、そのために通所リハの利用が必要であれば通所リハを利用していただき、目標が達成し必要がなくなれば利用を終了して次のステップに進む。
それはリハビリテーションの原点に立ち返ったとき自然な流れだと解釈することができます。

通所リハビリテーションの修了に関する制度

では、次に介護報酬の中で通所リハを修了を促していると読み取れる加算を紹介したいと思います。

移行支援加算

まず、移行支援加算です。

移行支援加算の概要は以下の通りです。

加算の名称の通り、通所リハから通所介護に移行したり、通所リハを修了して社会参加につながっていることを評価する加算です。
まさしく、通所リハの修了に対する取り組みを評価している加算だといえます。

継続利用に対する減算

つぎに要支援認定の利用者に対しては以下のような減算があります。

  • 介護予防通所リハビリテーションの利用が12月を超える場合は、介護予防通所リハビリテーション費から要支援1は20単位、要支援2は40単位減算する

要支援の利用者は1年以上継続して利用する場合には事業所側からすれば収益が下がることになるため、修了を促し、新しい利用者に利用していただくというサイクルを回していくことで収益を確保しようとします。

これは通所リハの修了を促進するための減算制度だといえますね。

まとめ

リハビリテーションの定義から修了について考え、制度面で修了に関する取り組みに対して評価されることをご紹介しました。
やはり、通所リハは修了を前提として提供する、利用するサービスだという解釈は正しいと思われます。
しっかりその根源や制度を理解し、本人や家族、多職種に説明できるように整理しておかないといけませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました