手すりをレンタルするか、住宅改修工事で取り付けるか

手すりをレンタルするか、住宅改修工事で取り付けるか

利用者や患者さんの自宅を訪問し、家屋環境を確認した結果、手すりを設置することがけっこうな頻度であることだと思います。

そのとき、手すりをレンタル製品の据え置き型手すりにするか、住宅改修工事を行って手すりを設置するか迷われたことはありませんか?

今回は手すりをレンタルするか、工事で設置してしまうかをどのように選べばよいのか、どのように使い分ければよいのかを解説していきたいと思います!

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手すりをレンタルするか、住宅改修工事で取り付けるか。それぞれのメリット・デメリット

それでは手すりをレンタルするか、住宅改修で取り付けるかそれぞれのメリット・デメリットをみていきましょう。

手すりをレンタルするメリット・デメリット

まず、レンタルのメリットは

手すりをレンタルするメリット

といったところでしょうか。

まず、設置は基本的に置くだけなので、製品さえあれば即日でその場で設置可能です。また、設置後の手すりの高さの調整や微妙な位置や角度の調整も簡単にでき、必要がなくなったときに撤去することも簡単です。
レンタル料金は手すりの長さやタイプによって様々ですが、介護保険を使えば月数百円からレンタルが可能で、月々の負担はそんなに大きくありません。

置くだけで設置完了、必要なければすぐに撤去できるところが大きなメリットですね!

では次に手すりをレンタルするデメリットをみていきましょう。

手すりをレンタルするデメリット

デメリットとしては、やはり固定されていないことが原因である方向への力やあまりに大きな力が加わるとまれにぐらつくことがあります。
また、固定する代わりに重い大きな土台を置いたり、天井と床を突っ張って固定する必要があり、土台を設置するスペースがないところには設置できず、希望通りの位置に設置できない場合があります。
費用面は月々で考えると安くレンタルすることが可能ですが、当然長期間になると費用がかさみ、結果的に「工事してしまった方が安かったな…」となる場合が考えられます。

住宅改修工事で設置するメリット・デメリット

では次に手すりを工事で設置するメリットをみていきましょう。

手すりを住宅改修工事で設置するメリット

まず、何と言っても壁や床に直接固定するため、頑丈に設置でき、かつほぼ思い通りの位置に設置できることが大きなメリットだと思います。

見た目もスッキリし、土台などの段差も全くないため、より安全であるとも言えますね。

次にデメリットをみていきましょう。

手すりを住宅改修工事で設置するデメリット

まず気になるところが、工事が完了するまでに時間がかかるということです。
見取り図や完成前、完成後の写真、意見書など様々な書類を提出し、初めて介護保険の住宅改修費が使用できます。短くても数週間、工務店の方が介護保険を使った住宅改修に不慣れな場合も多く、書類の作成に時間がかかってしまい、見積もりから1か月ほどかかってしまう場合もあります。

次にしっかりと固定して設置するため、設置後の微調整は困難です。
設置してから「やっぱりこっちの方がよかったな…」といってもそう簡単に変更ができないため、見積もりの段階で専門職による評価や助言を受けることが重要です。

また手すりが必要なくなったり邪魔になったときにも撤去するためには工事が必要で工事費を負担しないといけません。
レンタルの手すりではその場で撤去できるのに比較し、工事で設置した手すりは工務店に依頼して見積もりをとり、それから撤去ということになり、なかなか手間がかかってしまいます。

手すりをどれくらい使用するかは使ってみないとわからないところですが、工事の場合は全額はじめに支払う必要があり、場合によってはレンタルよりも費用がかかってしまいます。

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手すりをレンタルするか、住宅改修で取り付けるか選択のポイント

それでは手すりをレンタルするか、住宅改修工事で取り付けるかどのように選択すればよいのでしょうか。
ここでは設置場所、クライアントの状況という2つの条件で考えていきたいと思います。

設置場所

まず、設置場所です。
広いスペースがあり、土台を置けるスペースがあればレンタルでも設置可能です。
足元のスペースが狭かったり、突っ張り式の手すりを使用する場合には天井の強度が不十分な場合には工事で設置しないといけません。
壁の強度が不十分な場合には補強工事をすることも可能なので、工務店に相談すると良いと思います。
工事の場合は設置場所はそんなに選ばないのでこれは工事で設置する大きなメリットだと言えます!

クライアントの状況

次にクライアントの状況です。
ここは難しい問題です。
良くあるケースを紹介したいと思います。

70歳代の夫婦2人暮らし。
夫が末期がんで余命は数か月と宣告された。
夫を自宅で看取りたいが足腰が弱ってきており、転倒を繰り返している。
トイレまで安全に行けるように手すりを設置してほしい。

さて、あなたならどうしますか?

手すりを設置する場合、レンタルを勧めるか、住宅改修を勧めるか…
私は以下のポイントを考えます。

  • 疾患は進行性の疾患であり、手すりがいつまで使用できるかわからない。
  • 転倒を繰り返しており、早急に手すりを設置すること必要である。
  • 今後、妻が在宅生活を送るための住宅改修を行う必要が出てくる可能性がある。

そこで私は手すりをレンタルすることをお勧めします。

まず、疾患が進行性の疾患であり、身体機能は今後、ますます低下することが予想されます。
そうなった場合、トイレまでの廊下に手すりを設置してしまうと後々邪魔になる場合があります。
それは車いすが必要になった場合です。
車いすが通るためにはある程度の廊下幅が必要となり、手すりが邪魔になってしまう場合があるのです。
レンタルの手すりであればすぐに撤去できますが、工事で設置した場合はそうはいきません。

次に余命数か月と宣告され、転倒を繰り返していることを考えると一日でも早く手すりを設置することが必要だといえます。
工事のために申請をして数週間後、やっと手すりを設置できると思ったらすでに手すりを使える状態ではなくなっていた…なんてことも考えられます。
その点、レンタルでは事前情報があればその場で設置することができ、手すりを有効に活用することができます。

最後に今後、妻が在宅生活を送るために住宅改修が必要となる場合があることです。
妻は今はお元気で手すりも必要ない状態かもしれません。
しかし数年後、手すりが必要となったときに
この手すりは夫に合わせてつけたもので、私には高すぎる…
となってしまう可能性があります。
また、すでに手すりが設置してあることで理想の場所に手すりが設置できないことも考えられます。

以上の理由から
私は工事ではなく、レンタルの商品を活用して手すりを設置することを提案します。
みなさんならどう考えられますか?

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まとめ

みなさんも患者さんや利用者さんの自宅を訪問し、手すりを提案することも多いと思います。
そのときに考えておくべきそれぞれのメリット・デメリットや選択のポイントをまとめてきました。

最後に想定ケースを提示して私の考えをまとめてみました。
もちろん、自宅の状況によってこの限りではありませんが、
住宅改修では家の状態だけでなく、クライアントの状況、現在だけでなく未来も見据えた提案が必要だと思います。

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