通所リハビリテーションの役割

この記事では、通所リハビリテーションの役割について考えていきます。

通所リハビリテーションの役割は制度上決められていたり、様々な定義があると思います。

実際に現場で働いている実状と合わせながら考えていきたいと思います。

通所リハビリテーションの定義

まず介護保険制度上の定義をみていきましょう。

厚生労働省では以下のように通所リハビリテーションを定義しています。

居宅要介護者について、介護老人保健施設、病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション

社保審-介護給付費分科会第141回(H29.6.21)参考資料4

通所リハビリテーションはあくまでリハビリテーションを提供する施設であるととらえることができる定義となっています。

次に全国デイケア協会では通所リハビリテーションの役割を以下のように定めています。

http://day-care.jp/wp/wp-content/uploads/pdf/H27-roukenjigyou-rihamanagement.pdf

通所リハビリテーションでは通所介護に求められる役割に加えて

  • 医学的管理
  • 心身・生活活動の維持・向上

という役割を求められています。

通所リハビリテーションには医師やリハビリテーション専門職が配置されているため、この役割が与えられていると考えられます。

通所リハビリテーションの実状

私が勤務している通所リハビリテーションでは、要支援者から要介護5で胃瘻や気切をされている利用者まで幅広い層の利用者がおられます。

前項で引用した、全国デイケア協会が示す通所リハビリテーションの役割を概ね網羅しているといえます。

しかし、同じ地域にある別の通所リハビリテーションでは要支援~要介護2までに限定しており、車いすを利用している利用者は受け入れを行っていません。

また、別の事業所では半日利用は実施しておらず、利用終了もほとんどなく、通所介護と区別がつかないようなサービスを提供している事業所もあります。

同じ通所リハビリテーションといっても幅広く、様々な形の通所リハビリテーションが存在することがひとつの地域をみるだけでもわかると思います。

通所リハビリテーションはなにを求められているのか

実際の通所リハビリテーションはどのような役割を求められているでしょうか。

以前、まとめた「通所介護と通所リハビリテーションの違い」でも述べましたが、

地域によって求められる役割は異なる

が今、私が考えている答えです。

そもそも、全国デイケア協会から出されている通所リハビリテーションの役割はかなり幅広い役割になっていると思います。

積極的なリハビリテーションを行う利用者がいれば、医療依存度の高い、介護度の高い利用者もおられます。

それは同じ事業所内でどちらもおられることもありますし、事業所によって特徴が異なる場合もあると思います。

その通所リハビリテーションの役割がなになのかは、地域にある社会資源や通所介護、クリニック、介護施設の数やその特色を把握したうえで役割をとらえていかないといけません。

まとめ

  • 通所リハビリテーションは介護保険制度の中ではリハビリテーション施設、全国デイケア協会の定義では通所介護に加えて医学的管理、心身・生活活動の維持・向上が役割として与えられている。
  • 通所リハビリテーションの実状としては、事業所によって様々な役割を担っている。
  • 地域特性や地域にある他のサービスなどによって求められる役割が変わる

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