健康生成論
SOC
というワードは耳にされたことはありますか?
私は恥ずかしながら東北理学療法学術大会(http://tohoku.pt-congress.net/home-page/)で初めて耳にしました。
今回はこの健康生成論、SOCについて学会の後、調べたのでまとめてみました。
健康生成論とSOCとは
まず、用語の整理をしていきます。
健康生成論とは
健康生成論とは以下のように唱えられています。
要するに健康に対しての考え方について言及されています。
健康とはWHOの定義では
と定義されています。
何度も聞かれたことがあることだとは思いますが、健康とは単に病気や弱っているということだけで決まるものではない、ということです。
そして、健康生成論では、”健康”と”不健康(健康破綻)”の関係について以下のように述べられています。
健康状態は「健康(healthease)」と「健康破綻(dis-ease)」を両極とする連続体上に位置し,健康要因の作用によって状態が健康の極に向かい変化するとされている.両極について,健康は健康面において穏やかさや安寧が得られている状態を表し,健康破綻は生物医学的に示される疾病(disease)を抱えていることだけでなく,疾病に伴って穏やかさや安寧が失われた状態を表している
朴峠 周子,健康生成論における健康の科学
つまり、健康と不健康はどこかに明確な境があるわけではなく、連続した線上に存在しており、様々な健康に関連する要因によってその線上で変化するということです。
ですから、なにか疾患を患ったから健康ではないということではないし、逆に疾患がないからと言って健康だ、とも言いきれないということです。
SOCとは
次にSOCについてみていきましょう。
SOCとはSense of Coherenceの略で、直訳すると
一貫性の感覚
と訳されます。
これではよくわからないので、解説された文献をみてみましょう。
難しいですね…
要するにSOCとは健康に関連する要因で、様々な現象に対するその人の反応する感覚を表しています。
様々な現象(ストレス)に対してどのように対処するかによって健康な状態に移るのか、健康破綻に向かってしまうのかが決まる、というのがSOCというものだと解釈できます。
健康生成論とSOCの関係
前項で言葉の定義を確認したように、健康生成論とは、健康と不健康(健康破綻)は連続した線上に存在し、様々な健康に関する要因によって線上を移動するという考え方であり、SOCはその健康に関する要因のひとつだ、というところまで確認できました。
これを私なりに図で表してみました。
健康に影響する要因は疾患、周囲の環境など様々な要因があります。
その中にSOCがあり、それらの要因に影響されて健康、不健康(健康破綻)の線上を移動する、というイメージです。
健康生成論とSOCまとめ
- 健康生成論とは、健康を「健康か健康でないか」の二分法で捉えるという疾病生成論的見方から、健康を「健康—健康破綻の連続体上の位置」として捉えるという健康生成論的見方への転換を提案したもの
- SOCとは、その人の生活の場への見方・向き合い方・関わり方とそれらへの確信の感覚を表したもの
- 健康に影響する要因は様々あり、その中のひとつにSOCがあり、それらの要因に影響されて健康、不健康(健康破綻)の線上を移動する
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