先日、職場内の教育・育成に関して記事を書きました。
ところで、現場で働いていると
なんでAさんはこんなに頑張って働くのにBさんはあんなにサボってるんだろう…
そんなことを感じることはありませんか?
臨床も研究も委員会活動もたくさんの仕事を抱えながら精いっぱい働くAさん
どの患者・利用者にも同じようなプログラムを提供して、研修にもほとんど参加しないBさん
この2人の差っていったいどこにあるのでしょうか?
BさんはどうしたらAさんのように頑張って働くようになるのでしょうか?
そこには
パレートの法則や働きアリの法則というものがその裏に隠れているのかもしれません。
働きアリの法則とは?働きアリはみんな頑張って働いているのか?
パレートの法則とは?
まずはパレートの法則について解説していきます。
パレートの法則とは…
パレートの法則は、ある組織の成果は全体の8割は20%の要素から生み出されている、とする経験則から導き出された法則です。
この法則は人事だけでなく、さまざまな要素に適応されます。
例えば
- 持っている服のうち、良く着る服は全体の2割の服だ
- 自分の家の中でほとんどの時間は20%の部分で過ごしている
などが考えられます。
また、パレートの法則とよく似た法則に働きアリの法則というものがあります。
働きアリの法則とは…
こちらはパレートの法則の8割の要素をさらに2つに分けた法則となります。
いずれにしても組織の成果の多くはよく働く2割の要素にかかっているということを示しています。
じゃあ2割の成果しか出せない8割の人材はカットするべきだ!
というのはあまりに短絡的すぎるかもしれません。
2割の働く人を集めたらどうなる?
では直感を信じて8割の成果を出している2割の人材を集めて業務を進めてみましょう。
これで全員が成果をあげられる組織ができた!
とおもいきや…
なんと、
またまたその中の2割の人材が8割の成果をもたらす状態になっていることが分かりました!
なんとよく働き、成果をあげていた人材の中ででも、2:6:2の割合で分かれてしまうのです。
どんなに優秀な人材を集めても、その中で優劣はどうしてもついてしまいます。
そのうちだんだんとよく働く人、並に働く人、働かない人に分かれていってしまうのです。
2割の働かない人を集めたらどうなる?
では反対に2割の働かない人たちを集めたらどうなるのでしょうか?
働かない人たちを集めても成果は期待できないだろう
と想像していましたが…
なんと
その中の2割の人材がとてもよく働くようになり、成果を出すようになりました!
このパターンでは先ほどの逆の現象が起きます。
今までサボっていた人の中でも優劣がつき、徐々にその組織を引っ張っていく存在が確立され、よく働く人材が出てくるようになるのです。
働きアリの法則はどう利用したら良いのか?
ではこれらの法則をどう利用したら組織運営はうまくいくのでしょうか?
成果を出している2割だけを優遇しない
当然の心理として
成果を出している人材を優遇しよう
という気持ちが意識的、無意識的に芽生えることが多いと思います。
しかし、パレートの法則によると
2割の成果を出す人材の裏には8割の成果をあまり上げられない人材が必ず存在します。
ここで2割の成果をあげている人材だけを優遇したらどうなるでしょう?
残りの8割の人材から不平不満が出てくるかもしれません。
8割の人材から退職者が出たとしたら?
法則から考えると、2割の人材の中からサボる人材が出てくることでしょう。
8割の人材が何もしていないわけではありません。
実は目に見えないところで重要な働きをしているのです。
成果を出していない2割にリソースを注ぎすぎない
逆に、成果を出していない2割の人材になんとか成果を出してもらおうとリソースを注ぎすぎることにも注意が必要です。
上位2割の成果を出している人材にリソースを注ぐほうがより効率よく成果を出すことができます。
例えば成果を出していない2割の人材をなんとかしようと、成果を出している人材がペアになって業務改善を行うような仕組みを作るとします。
当然、業務改善のための取り組みをしている時間は成果をあげることができません。
働きアリの法則に則ると、どんな組織でも2割の働かないアリは存在します。
働かない層をなんとかできるのか?
これは働きアリの法則から考えると難しいのかもしれません。
働かない層がよく働く層と同じ成果をあげることは法則にそって考えると難しいのです。
組織運営のためには働きアリの法則を頭に入れておくことが必要
パレートの法則や働きアリの法則はあくまでも経験則による法則です。
あまり過信しすぎてはいけませんが、一方で組織はそういうものなんだな、と思っておくことは重要だと思います。
そして一見、成果をあげられず足を引っ張っているようにみえる人材が実は目に見える成果をあげていないだけで、成果をあげている2割の人材を陰ながらサポートしているかもしれません。
組織がピンチのいざという時に大活躍してくれることもあります。
2割の人材が8割の成果を出すためには、8割の人材の存在がなければ成り立ちません。
それぞれの人材が、それぞれのポジションで能力を発揮できるようにマネジメントしていくことが組織のマネジャーの力の見せどころなのかもしれません。
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