みなさんこんにちは!
理学療法士のあきです。
私はこれまで総合病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーションで理学療法士として働いてきました。
このブログではリハビリテーションのこと、制度のことを中心に発信しています。
リハビリテーションを行う上で、制度やリハビリテーションの大きな流れについて理解しておくことは重要です。
それぞれの記事は3~5分程度で読めるボリュームとなっていますので、ぜひいくつかの記事を読んで制度やリハビリテーションの流れに触れてください!
色々なところで叫ばれる少子高齢化…
なんだかヤバそうな響き…
ちょっと調べてみるとこんな図が現れます。
きっと見たことがある方も多いんじゃないかと思います。
この図の通りになると、現役世代の負担がとても大きくなってしまうことになり、私たちの先行きが不安になりますね…
でも私はこの図に疑問を感じました。
これって本当なのか?
この記事では私がそのように感じた理由をご紹介し、これからの社会の本当の姿について考えていきたいと思います。
胴上げ型、騎馬戦型、肩車型の高齢者を支える社会…なんか違和感を感じる
ではまず、先ほどの図をみて私が違和感を感じた理由について説明していきます。
どうも現実にそぐわないような感じがして、以下の2点について考えてみました。
高齢者の定義
まず、高齢者の定義についてです。
先ほどの図の計算方法では、65歳以上を高齢者と定義して計算されています。
さて、ここでみなさんのまわりにおられる65歳の方を思い出してみてください。
いかがでしょうか?
老後の隠居生活を送られているでしょうか?
私の周りで考えるとまず父親は今年で65歳になりますが、肉体的には私よりハードな仕事をしています。
仕事でお出会いする利用者さんの話を聞いていても、70代前半くらいまではバリバリ働かれていたという方が多い印象です。
平均寿命が延び、健康寿命も延びている現代において、将来の推計をするときに65歳以上を高齢者としてそのまま計算していて良いのでしょうか?
現代における高齢者とは?
では現代における高齢者の定義はどのように考えたらよいのでしょうか?
下の図をご覧ください。
こちらは年代別の労働力人口の推移が示してあります。
少し細かい図になってしまっていますが、ここで注目していただきたい点は
65歳以上の労働力人口の推移です。
65歳以上の労働力人口は2011年は584人、2016年は786人、2021年には926人と年々増加していることが分かります。
次に年齢階層別の就業率をみてみましょう。
65歳以上では約半数、70歳以上においても3割程度の人が就業していることが分かります。
先ほどお出しした胴上げ型、騎馬戦型、肩車型の図は、単純に65歳以上の人口を生産年齢人口で割って算出されたものです。
しかしここまでの資料を踏まえて考えると、現代において65歳以上を一概に支えられる側として計算してしまうと現実にそぐわない結果となってしまいそうです。
胴上げ型、騎馬戦型、肩車型の高齢者を支える社会、本当のところどんな姿なのか?
ここまでの検証を踏まえて、私なりの定義で計算し直してみます!
高齢者の定義を変えて試算してみる
ここで意味する高齢者とは、計算方法から考えて
労働していない人口
であると考えられます。
しかし、先ほどの検証により、65歳以上でも労働している方は多くおられ、これらの方々を労働力人口として計算します。
試算条件と結果
それでは試算状況を以下にまとめます。
この条件で試算した結果が以下の通りになります。
政府が出している数字を基に計算してみました。
この試算結果をみると、高齢者1人を9人の労働力人口で支える、胴上げ型であるという結果になりました。
65歳以上の労働力人口がやや多すぎる気もしますが、現在政府から出されている数値を合わせるとこのような計算になりました。
いずれにしても、はじめに出した図と少し見える景色が違っていますね。
胴上げ型、騎馬戦型、肩車型の高齢者を支える社会、私たちにできることは何か?
私はこの記事で
肩車型の社会なんて嘘だ!
なにも心配することはない!
ということがいいたいのではありません。
少子高齢化が進んでいることは事実であり、この流れはなかなか止めることはできません。
かといってこのまま生産年齢人口の負担が増えていくことを黙ってみていることもできません。
先ほどの私が行った試算をみて考えられることは
高齢になっても働き続けられる社会を作り、心身を健康に維持することでこの少子高齢化の厳しい時代を乗り切れるのではないか
ということです。
そのために私たちにできることをこれからも考えていきたいと思います!
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