みなさんこんにちは!
理学療法士のあきです。
私はこれまで総合病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーションで理学療法士として働いてきました。
このブログではリハビリテーションのこと、制度のことを中心に発信しています。
リハビリテーションを行う上で、制度やリハビリテーションの大きな流れについて理解しておくことは重要です。
それぞれの記事は3~5分程度で読めるボリュームとなっていますので、ぜひいくつかの記事を読んで制度やリハビリテーションの流れに触れてください!
前回の記事では職場内の教育・研修の成果をどのようにとらえて効果判定していくのか、カークパトリックの4段階評価法を中心に勉強しました。
この記事では、教育・研修の効果を評価する具体的な測定方法について勉強したのでまとめていきたいと思います。
職場内の教育・研修の成果を測定したい!前回の復習
まず簡単に前回の復習をしておきます。
前回の記事ではカークパトリックの4段階評価法という概念をご紹介しました。
カークパトリックの4段階評価法は、教育・研修の対象者の評価を
Level1 研修を受けた社員のアンケートや満足度
Level2 研修を受けた社員の研修内容の定着度
Level3 研修を受けた社員の主観的・客観的な行動変容
Level4 研修を受けたことによる業績への反映
に分類して評価するというモデルです。
そして、
私たちリハビリテーション専門職の教育・研修の目的はクライアントの生活の改善にある
という結論に至りました。
それでは、この4段階に分けたレベルそれぞれをどうやって測定していったら良いのでしょうか?
職場内の教育・研修はなぜ必要?
もう一度、教育・研修の目的について整理しておきましょう。
私たちの職場内の教育・研修の最終目的は
クライアントの生活の改善にあります。
しかし、先ほどご紹介したカークパトリックの4段階評価法に倣うと、これはLevel4の成果であり、それまでにLevel1~3の成果をあげる必要があります。
最終目的である、クライアントの生活の改善に対しては教育・研修だけでなく様々な取り組みが行われていると思います。
それが事業全体の目的であるといっても過言ではありませんからね。
その中で、実際に実施した教育や研修の取り組みがどれくらい効果的であったのかを正確に測定して評価することが必要となります。
せっかく時間を使って取り組んでいることの成果が分からないと何のために取り組んでいるのかわからなくなってしまいます。
また、業務である以上、成果が出ているかどうかを判定し、改善を続けていくことが必要です。
職場内の教育・研修の成果を測定する具体的な測定方法
では実際に各Levelの成果を測定する方法を具体的にみていきましょう。
インタビュー・アンケート
こちらはLevel1の反応の項目の効果を測定するのに有用です。
研修の終了後にインタビューやアンケートを実施することで、職員が研修を受けてどう感じたのかを聴取することができます。
インタビューを実施する際には、質問項目の構成がポイントになります。
質問項目の設定のときのポイントとしては大きく以下の4つがあります。
それぞれ簡単に解説していきます!
仮説を立てる
まず、インタビュー・アンケートを実施する前に仮説を立てることが必要です。
仮説を立てた後、インタビューやアンケートの質問項目を作るときに、その仮説を検証するための質問をすることで、目的がはっきりとした質問項目を作ることができ、有効なインタビュー・アンケートを実施することができます。
回答率を高めるように工夫する
特にアンケートを実施する場合ですが、まず回答してもらわなくては意味がありません。
アンケートの回答率を高めるためには以下のようなポイントがあります。
質問数を減らす
わかりやすい質問にする
記述式の質問を減らす
回答しやすい形式でアンケートを実施する
少数の回答になってしまうと、回答内容に偏りが出てきてしまいます。
できるだけ全体の意見を回答してもらえるように、回答率を高めることは重要です。
誘導質問にならないように注意する
先ほど、仮説を立てることが重要だと述べましたが、一方で答えを誘導するような質問には注意が必要です。
仮説を立てたり、研修の目的があると、どうしても「こう答えてほしいな」という気持ちが出てくると思います。
しかし、その答えに誘導してしまうような質問をしてしまうと研修の効果判定が正確にできず、意味のない質問になってしまいます。
せっかくアンケートを実施するのであれば、しっかり結果がみえる調査をしないといけませんね!
理解度テスト
こちらはLevel2である、学習の項目の効果を測定するのに有用です。
テストの実施は、研修前、研修直後、研修からしばらく経ってからの3回実施することが効果的だといわれています!
研修前テスト
研修前の受講者のレベルを確認するために実施します。
受講者の現在のレベルを把握することで、研修内容の微調整や実施方法に反映することで、より有意義な研修を実施することができます。
研修直後テスト
研修での理解度を把握するために実施します。
研修前テストを実施しておくことで、研修によってどの程度知識が定着したか図ることができます。
また、受講者に事前にテストを実施することを伝えておくことで、研修を受ける姿勢が変わることも期待できます。
研修からしばらく経ってからのテスト
研修後数か月後に実施するテストです。
研修の内容がどれくらい定着しているか、研修の内容が業務にどれくらい活かせているかを確認するためのテストです。
また、テストの実施を知らせておくことで受講者が研修内容を復習し、知識の定着を図ることも期待できます。
職場内の教育・研修の成果を測定することで得られる効果
職場内の教育・研修の成果を測定する方法についていくつかご紹介してきました。
研修をただ実施してそれで終わりではなく、その効果をしっかり測定することで、研修内容を改善したり、研修で足りなかった部分を後日補ったりとより良い職場内の教育や育成の体制を作ることができます。
ひいてはそれが、ご利用者さんに還元していけるようになることが一番良い形だと思います。
PDCAサイクルという言葉がありますが、しっかりと実施したことに対して検証し、改善を重ねていくことは教育・研修の場面においても重要であるといえますね。
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