理学療法士、作業療法士の独立の手段として、通所介護(デイサービス)の開業を考える方も多いと思います。(私もその一人です)
デイサービスを開業するためには法人格の取得が必要です。
この記事では法人格とはなにか、どのような種類があるのか整理していきたいと思います。
デイサービスを開業するための法人格とは
まず、法人格とはなにかみていきましょう。
法人格とは
法律上の人格。権利・義務の主体となることのできる資格(権利能力)。自然人と法人に認められる。法的人格。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%B3%95%E4%BA%BA%E6%A0%BC/
よくわかりませんね…
事業をしていくうえで、企業が主体として様々な手続きをするために法人格を取得します。
例えば、デイサービスの備品を購入するとします。
法人格がなければ、そこで働く職員や管理者の名前で購入し、個人の持ち物になってしまいます。
しかし、法人格があれば、それは企業(法人)の持ち物とすることができます。
つまり法人がある意味一人の人として様々な取引ができるということです。
もし、企業が法人格を持たず、代表者が全ての責任を負うことになると個人で責任を取れる範囲を超えてしまいます。
そこで法人格を取得することで個人に対して大きな責任を負わせることなく事業を進めることができるのです。
デイサービスを開業するためにどのような法人格が必要か
法人格にも様々な種類があり
- 株式会社
- 合同会社
- 合資会社
- 合名会社
- NPO法人
- 一般社団法人
- 一般財団法人
- 公益社団法人
- 公益社団法人
などがあります。
上の4つは営利法人、下の5つは非営利法人と呼ばれています。
これからデイサービスを開業しようとしたとき、取得しやすい法人格は
株式会社または合同会社だと思います。
非営利法人は取得するためのハードルが高く、また時間もかかるためあまり現実的ではありません。
株式会社、合同会社も様々な書類の準備や手続きがあるため、専門家に依頼することが一般的なようです。
デイサービスを開業するための法人格として株式会社と合同会社はどんな法人なのか
それでは株式会社と合同会社とはどのような法人なのか、どんなメリット・デメリットがあるのかをみていきたいと思います。
まず、株式会社について。
株式会社は法人格の中でも知名度があり、信用度が高いです。
融資を受けるときや取引先と取引をする際に信用度が高い方が有利な面があります。
また、株式会社は資金調達の方法が多くあり、資金調達がしやすいという特徴があります。
株式会社は株式を発行することで出資を得ることができます。
株式会社のデメリットとしては設立に費用がかかることです。
収入印紙代、手数料、免許登録料など合わせて15~20万円ほどかかると言われています。
手続きを税理士に依頼する場合、これに加えて手数料がかかるため、かなりのお金が必要になってきます。
他にも決算公告の義務がある、役員の任期があるなど、私たちには馴染みがないような手続き面でデメリットがあります。
次に合同会社についてみていきましょう。
合同会社は設立費用が安く済み、手続きも株式会社に比べると簡単だといわれています。
そうはいっても収入印紙代や登録免許税で6~10万円ほどかかり、これに加えて税理士に手続きを依頼する場合には税理士に支払う費用が掛かります。
また、株式会社では義務であった決算公告には7万円ほどの費用が掛かりますが、合同会社には決算公告の義務はなく、ランニングコストも抑えることができます。
経営の自由度も高く、利益分配を自由に決めることができるなど、小回りが利く法人格となっています。
次に合同会社のデメリットとして、社会的信用度が低いことです。
株式会社と比べると知名度が低く、社会的信用度が低い傾向にあります。
また、株式の発行や上場ができないため、資金調達の手段が限られてしまうというデメリットがあります。
株式会社と合同会社を比べると、株式会社の方が資金調達がしやすいため、事業の拡大などを考える場合には株式会社を選択したほうが良さそうですね。
逆に小回りが利くような小さい事業を行う場合には合同会社の方がメリットが大きいといえそうですね。
まとめ
今回はデイサービスを開業するために必要な法人格の取得について考えてきました。
私は初期費用の抑制、自由度の高さから合同会社を選択しようと考えています。
みなさんもご自分の将来構想に合った法人格を選択し、準備を進めていかれると良いと思います。
セラピストの独立にむけて、今まで触れることのなかった経営に関する知識や手続きが多く出てきます。
今後も私が勉強したことを整理し、ブログにまとめていこうと思っています。
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