みなさんこんにちは!
理学療法士のあきです。
私はこれまで総合病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーションで理学療法士として働いてきました。
このブログではリハビリテーションのこと、制度のことを中心に発信しています。
リハビリテーションを行う上で、制度やリハビリテーションの大きな流れについて理解しておくことは重要です。
それぞれの記事は3~5分程度で読めるボリュームとなっていますので、ぜひいくつかの記事を読んで制度やリハビリテーションの流れに触れてみてください!
今日は私が普段からぼんやりと考えている「リハビリテーション」のことをつらつらとまとめてみたいと思います。
リハビリテーションの歴史
まずはリハビリテーションの歴史を振り返ってみます。
リハビリテーションという言葉が医学用語として一般的になったのは第二次世界大戦後だといわれています。
それまではヨーロッパではリハビリテーションの本来の意味である、人間であることの権利、尊厳が何かの理由で否定され、人間社会からはじき出されたものが権利を回復する」という意味で主に用いられていました。
アメリカでは1918年に傷痍軍人に対して職業訓練を行い、社会復帰を促す法案のなかで「リハビリテーション」という言葉が出てきました。
このころのリハビリテーションという言葉は、職業的訓練を通じて社会復帰を促すという意味で用いられていました。
リハビリテーションという言葉が日本で初めて出てきたのは、1957年に日本整形外科評議委員会が設置した「リハビリテーション委員会」が最初だと思われます。
日本はアメリカやイギリスなどと比べてリハビリテーション医療の遅れをとっていました。
終戦後、欧米先進国の医師による視察の結果、リハビリテーション医療や専門職の必要性が指摘されて今日まで発展してきました。
参考文献
リハビリテーションの語源・目的
リハビリテーションの語源についてご存知の方は多いと思いますが今一度。
リハビリテーションは
Re+Habilis+tion
が合わさった言葉で、日本語に直すと
再び+人間らしく+~する
となります。
そこで、リハビリテーションの日本語訳は
「全人間的復権」
とされました。
漢字ばかりでなかなかひとことではわかりにくい訳ですが、
すべての人が人間らしく生きるための支援
と言い換えることができるかもしれません。
先ほど解説したように、リハビリテーションはこれまでも様々な意味合いで用いられてきました。
その時代に合わせて人間としての権利を回復する、であったり戦場から職場復帰を目指すという意味であったりとその意味合いは時代によって変わっています。
日本ではリハビリテーションという言葉は日本整形外科評議会が設置した委員会が発端だと考えられ、その流れを汲めば現代で多く用いられているような
リハビリ=ケガや病気を治すこと
と捉えられていることも納得できます。
私なりに考えるリハビリテーションのこれから
歴史の部分でまとめたように、これまでのリハビリテーションはけがや病気、発達障害による機能障害の回復をメインとして行われてきました。
と同時に医療制度、介護保険制度もこの機能回復の部分を中心に制度設計がなされてきたと思います。
ところで社会保障費はどんどん膨れ上がっており、現在の保険制度はこの社会保障費の削減が大きな課題となっています。
そこで保険制度の対象者を減らしたり、入院日数を短くするように政策誘導されている節があります。
これからは
対象者を減らす→未然に障害を防ぐ(予防)
入院日数を短くする→これまで入院していた状態の方が自宅で暮らせる環境を整える(重度者支援)
が重要ではないかなと思っています。
下の図をご覧ください。
病院や介護施設では在宅生活が難しくなった方に対してリハビリテーションを提供しています。
しかし、先ほど挙げた予防や重度者支援に関してはまだまだ制度として整っていない部分があり、社会保障費の抑制のため、今後も制度としては整わない可能性もあります。
Well-being baseではこの予防と重度者支援の部分で地域に貢献できればと思っています。
私が地域でやりたいことはこちらの記事でまとめていますので、よろしければご覧ください。
病気になったり、治療が必要な状態になってやりたいことができないという状態を予防すること
継続的に治療や介護が必要な状態となっても、本人や家族が自分らしく生きること
この2点を中心に今後の取り組みを考えていきたいと思っています。
ぜひみなさんのお知恵やお力をお貸しください!
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